古くから伝世されてきた初期の高麗茶碗です。
彼の地で雑器・祭器として使われていたものか、すでに茶人の好みが入っていたかは判然としませんが、
初心な輝きのようなものを感じます。
全体にろくろ目を回し、高台も力強く、ひきしまった姿形です。
長年使い込まれて、釉薬は枇杷色に育ち、全体に細かい貫入があります。
口縁には3カ所金直しがあり、ニュウもありますが、伝世品としてはよい保存状態です。
江戸時代前期~中期頃の箱が付きます。「玉子手茶碗」と書かれた紙が貼られています。
(口径12,7センチ、高さ6,7センチ、高台径5,3センチ)