ときどき、“予定調和”を壊したくなって、とんでもないモノに魅かれるのですが、
このアールヌーボースタイルのガラスもそのひとつ。
明治~大正時代の日本のガラス職人がつくった、吹きガラスの大きな花器です。
ヨーロッパのガラス工芸作家の作品と比べると、シンプルで柔らかで、「和」を感じます。
これは、インドネシア東部ジャワ、スラバヤからの里帰り品です。
大正時代には、スラバヤ周辺に、日本ガラス専門の販売店があり、電気の傘、氷コップ、色板ガラスなどの人気商品は華僑などの富裕層を中心に広く普及していました。
この食虫植物を巨大化したような花器は、特別注文品だったと思われます。
(高さ38センチ、底径17~18センチ)