上州新田岩松家18代~21代の殿さまが、150年に渡って貧しい藩財政を支えるために描いたといわれる新田猫絵。
猫絵を飾れば蚕を食べるネズミを撃退できるという信仰が、上州を中心に広がっていきました。
この猫絵は、殿さまではなく絵師によって描かれたもの。
残された猫絵のほとんどはデフォルメされていますが、これはリアル。実際に猫を見ながら描いたかのようです。
近年、掛軸全体は暴落していますが、時代のある猫絵は何故か高騰し入手するのが難しくなっています。
余談ですが、幕末に日本を訪れた外国人たちは、<日本の猫は怠け者で人に甘えるが、ネズミを捕ることはしない>と記録しています。
掛軸上部の掛緒と巻緒は欠損しています。
掛軸34,5×126センチ