“幻の”といっていいほど数少ない、元の釉裏紅です。
ざっくりとした絵付けの霊芝風唐草文がいいですね。
酸化銅を使った釉裏紅の発色は、淡く滲んでいます。
造りは分厚くずっしりとして雑器の趣です。
元染の量産がはじまった、元時代後期(14世紀前半)、青花の高級品はイスラム圏の富裕層に輸出され、
青花と釉裏紅の小品は東南アジアに輸出されました。特にフィリピンには、副葬品用に輸出されたといいます。
釉裏紅小品といえども、見る機会は稀で、町田市立博物館には「釉裏紅草花文方壷」が一点所蔵されています。
写真の香炉は、口から2~3センチのニュウがあります。保存箱が付きます。
(口径7,5センチ、高さ6,7センチ、高台径6センチ)