睡蓮の池で、鯉がすいすいと泳いでいる静かな絵です。
軌外(1892-1966)は大正から昭和初期にかけて約十年間フランスに滞在。
フォーヴ、シュール、キュビズムの空気をいっぱい吸って、
帰国後は、実験的な作品を次々と発表してきました。
ところがこの絵は、一見とても軌外には見えない異色作です。
モネ等の後期印象派と東洋絵画の伝統が幸せな融合をしているところがいいですね。
初めは渡欧前作と思ったのですが、今では出来の良さから帰国後の1930年代の作では?と見ています。
(キャンパスに油38×45,5センチ、額53×61センチ)