筒型で、縦に4本のヘラ削りの入った姿形も好し。
白釉に細かく入った貫入は、数百年の時代を感じさせ重厚な美しさになっています。
高台附近は砂気のある聚楽土の上からねっとりとした化粧土が塗られ、
見込みは釉薬が銀化しています。
多分、私が手にした楽代々のなかで最も古い楽です。
箱裏には、茶人により「一入赤楽茶器」とありますが、見立ての間違いと思われます。
この釉薬は赤楽ではなく白楽です。
白釉は楽2代常慶がよく香炉に用いたことから「こうろぐすり」と呼ばれています。
茶人は、自作の木の蓋をつくり茶器として使用していたようです。
胴部分に朱漆で歌が書かれています。
「百草の花の中にも 菊をのみ 千とせに契る 加ざしとぞ折る」
私にとって、この歌は少々余計です。
(口径5センチ、高さ9,5センチ、底径4センチ)
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