写真は、明治時代の絵葉書です。
「アイヌの祝宴」とあり、多分にヤラセの写真になっていますが、それでも彼らの誇りは伝わってきます。
いくつかの行器がありますが、中央のものが古手のように見えます。
イザベラ・バードの『新訳 日本奥地紀行』(東洋文庫)にも行器の記述があります。
彼女は1878年(明治11年)に、東京~北海道を旅してそれを記録しています。
平取のベンリというアイヌの家にたくさんの日本の骨董品があり、そのなかに
「24もの漆製の脚付きシントコ[行器]」があったことが書かれています。
これらの骨董品に、お金ならいくらでも出しますと言っても、低く歌うような声で「私たちの祖先に親切だった人々から贈られたものなのです。お売りするわけにはいきません」と答えたそうです。