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室町時代の行器(ほかい)

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引き込まれるような漆黒が魅力のオブジェ。とても大きいです。
これは、儀礼の際に食料を運ぶ道具であり、アイヌの人たちにとっては神にささげる酒を醸造し、ふるまう容器でした。
古い行器は、意外なほど残っていません。見かけるのは、江戸初~明治頃までの蒔絵で家紋などが描かれたものばかり。
写真の黒漆の行器は、室町時代にさかのぼるものです。
これと同手のものは、明治大正頃のアイヌのひとたちの写真・絵葉書でいくつか見ることができます。
アイヌの人たちにとって、漆器は一番の宝物。とりわけ行器が重要視されました。
そして、古い時代のものほど尊ばれました。
「蝦夷道中記」によれば、1801年トンベツ(十勝郡浦幌町)の長は鎌倉時代の行器を保有していたという記録があります。

 (径38センチ、高さ45センチ)

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