足を止めて、ちょっと頭部をかしげる姿がいいですね。
この彫刻の制作者、縄文のヒトにアッパレです。
縄文の人たちにとって、クマは王者で、カミのようなもの。
この硬質砂岩製のクマさんも、さぞや霊力あふれる存在だったのでしょう。
胴体に二箇所穴があいています。
狩猟祭祀のときには、ここに紐を通して祭祀のリーダーであったシャーマンの首にかけられたのではないかと、妄想してしまいます。
顔の部分に欠損があるだけで、保存状態も良好です。
クマに関する縄文遺物は、土、石あわせてもそれほど多くなく、三内丸山遺跡でも二点のみ。
これは、東北地方の縄文後期~晩期の遺跡からの出土品です。
(高さ7,5センチ、横12センチ)