静かで重厚感のある獅子香炉です。
深みのある黒楽釉は宗入(楽家5代)のカセ釉を見るようです。
この香炉は、松尾流の祖、松尾宗二(1677-1752)の作。造形力ある陶作品で知られています。
宗二は表千家6代覚々斎を師としたことから宗入とも交流があり、この香炉も楽家の窯で焼かれたと思われます。
永年使われてきたため、獅子の頭部や身(胴体)の足部は繰り返し修理されています。
江戸中期の箱が付きます。
箱蓋表には「楽只斎作獅子香炉」と書かれ、蓋裏には日了なる茶人(僧侶?)の書付があります。
(高さ16センチ、胴径12センチ)