和の穏やかさに永年使い込まれて重厚感が加わった、よい茶碗です。
これは松平不昧公再興の楽山ではなく、それ以前の古楽山、江戸初~前期のもので、権兵衞焼ともいわれています。
残っている数は少なく、全く同じ造りのものは皆無といわれるほど多様性に富んでいます。
この茶碗は李朝刷毛目の写しで、鼠色の釉が全体にかけられ、見込み、側面には勢いのある刷毛目があります。
高台は大きく、竹節高台になっています。
縁には朱漆による古い修理があります。
箱はありません。
(口径14センチ、高さ5,5センチ、高台径5,5センチ)