何気ない漁村風景です。
よく見ると、コラージュのような、現実にはありえない風景のような気がしてきます。
抽象と具象が均衡状態にあり、それが心地よさになっているのが不思議な魅力です。
茂士(1913-1994)は、福岡県、朝倉中学を卒業。24歳で上京して新宿絵画研究所に学ぶという、ちょっと変わった経歴の人。
晩年には芸術院会員にもなるのですが。
1955年、43歳で渡欧し、抽象絵画に大きな衝撃を受けたとか。
この絵は、その後間もない頃の作と思われます。
(板絵23×33,5センチ、額43×53センチ)