薄く研磨された黒くて大きな石斧です。
縄文石器オタクとしては、見過ごすことができないモノでした。
ランの茎で編まれた紐がぐるぐると巻かれ、クスクスの毛皮や小動物の骨が飾りとして付けられています。
これは、イリアンジャヤ西部ニューギニア中央高地北バリム川流域にある集落の儀礼の際の宝物(ほうもつ)です。
これを集落の人たちは普段見ることができず、結婚式や葬儀の時にだけ公開されました。
結婚の際には結納品ののような交換用財貨としての役割も果たしました。
この石は、集落から約150キロも離れたジェリム川で採取され、交易によって入手されたそうです。
*『ニューギニア 神と精霊のかたち』(里文出版)を参考にしました。
(長さ44センチ)