朝鮮半島 金剛山の山々でしょうか。さわやかで実に気持ちのよい風景画です。
背水(1877-1943)は、1911年~12年にイギリス留学していますが、この絵は帰国して間もない頃のもの。
彼は留学中に、生理学者で画家のレオナルド・ヒルから大きな影響を受けます。
ヒルはこう問いかけました。
「日本には古来非常に想像力の発達した名画が数多く存在しているはずだ。・・・君はいったい何を学びに欧州にきたのか」
この絵を見ていると、イギリス風景画の学習の成果だけでなく、東洋絵画の伝統への関心もうかがうことができます。
佐賀県立美術館に「朝鮮風景」<1914(大正3)年>が収蔵されていますが、この絵も同時期のものと思われます。
一か所2~3ミリの絵具の剥離がありますが、100年以上前の油絵としては保存状態良好です。
(キャンバスに油44,5×61センチ、額58,5×73,5センチ)
<売約済みになりました>