この絵は、山脇信徳(1886-1952)の滞欧作。1927年、渡仏して二年目、イギリス、ベルギーを旅行した時の作と思われます。
夕闇が刻々と深まっていく川辺の風景です。この独得の色彩感覚は、若き日、日本のモネと呼ばれていた信徳を彷彿とさせます。
信徳は、東京美術学校在学中に「停車場の朝」(戦災で焼失)を発表しました。高村光太郎が最初に注目。バーナード・リーチは「モネの絵と並べても恥ずかしくない」と絶賛。柳宗悦は「革命の画家」と呼びました。
一方、批判を展開する人たちもいて、大論争となりました。
信徳は、晩年までも含めると多くの作品を残しているのですが、ほとん市場にでてこない画家です。
(板に油23,5×33センチ、額37×46センチ)