これは東部ジャワ出土の浄瓶で、ブロンズ製です。
仏教とヒンドゥーが融合した造形になっています。
清水を入れる注口は、インド神話に起源をもつナーガ(蛇神)の姿。
水を出す頂部までの細長い管は仏塔を見るようです。頂部と胴の上下には蓮弁文があります。
ジャワの浄瓶は、9~14世紀まで様式的変化はほとんどありません。
ジャカルタ国立博物館にある14世紀のものは、ナーガの口も頂部もふさがれていて、用の役割を果たせないタイプです。
写真の浄瓶は、まだ実用性が残っているので、14世紀以前のものと思われます。
(高さ31,7センチ)