$ 0 0 一見平凡、向き合うと、気品があり親しみが湧いてくる仏さまです。 お顔は新羅仏の面影があって、衣文も古様。 でも、トンガリ帽子に肉髪(にっけい)は、高麗仏如来坐像の特徴を表しています。 薄手の鋳造で、背中に孔をあけ、台座も含めて一鋳としているのは、とても珍しいです。 鍍金もよく残り、螺髪(らほつ)には群青が、口には朱が微かに残っています。 対馬善光寺にも、同様の彩色がされた高麗仏が伝わっています。 (高さ15センチ)
$ 0 0 羊皮紙に書かれた16世紀(1594年)フランスの契約書です。 リズミカルな文字は美しく、没食子インクとよばれる染料インクは薄茶色に退色しています。 裏表紙の落書きも、見所があります。 (22×28,5センチ)7ページ <売約済みになりました>
$ 0 0 ときどき、“予定調和”を壊したくなって、とんでもないモノに魅かれるのですが、 このアールヌーボースタイルのガラスもそのひとつ。 明治~大正時代の日本のガラス職人がつくった、吹きガラスの大きな花器です。 ヨーロッパのガラス工芸作家の作品と比べると、シンプルで柔らかで、「和」を感じます。 これは、インドネシア東部ジャワ、スラバヤからの里帰り品です。 大正時代には、スラバヤ周辺に、日本ガラス専門の販売店があり、電気の傘、氷コップ、色板ガラスなどの人気商品は華僑などの富裕層を中心に広く普及していました。 この食虫植物を巨大化したような花器は、特別注文品だったと思われます。 (高さ38センチ、底径17~18センチ)
$ 0 0 窯の火で暴れた姿形がいいですね。 輪線文には生命力を感じ、ひきこまれます。 茶道具の織部茶碗を野性に返したような魅力です。 これは、15世紀後半~16世紀前半にかけて、公州郡鶏竜山周辺の窯で焼かれたもの。白化粧の上に、鉄絵の文様が特徴です。 口には修理があり、ひっつきもありますが、保存状態は良好。高台内には×の窯印があります。 保存箱が付きます。 (口径14,5~17,7センチ、高さ6,8~8,5センチ、高台径6,0~6,5センチ)
$ 0 0 比較的堅い焼きで薄作。端正ですが、ほどよいゆるさが心地よい茶碗です。 枯葉色と青灰色の窯変が美しいです。 灰褐色の陶土と突起した兜巾の高台は珍しく、初めて見るタイプです。 李朝初期に、食器としてつくられた茶碗と思われます。 写真にあるように、口縁にソゲと金直しニュウがあります。 保存箱がつきます。 (口径15,8~16センチ、高さ6,5~7センチ、高台径5センチ) 価格 46,000円
$ 0 0 実際には見たことがないのに、何故か郷愁を感じる日本の風景です。 これは、麟作(1878-1953)の1917(大正6)年3月18日の作。 和歌山県の串本から白浜辺りの風景と思われます。 彼は、明治~大正を代表する洋画家の一人。 23歳で描いた「夜汽車」は、教科書にも登場し、あまりにも有名です。 この洋画家が描いた「日本画」の風景は、大胆で格別な趣があります。 掛け軸の軸先は2つとも欠損しています。 (本紙31×130センチ、掛け軸43,5×195センチ) 価格 20,000円
$ 0 0 縄文時代後期~晩期(2500~3000年前)、祭りや儀礼等、ハレの場で使用されていたといわれる注口土器。 酒や水を入れたのでしょうか。 この注口土器は比較的薄手で、表面は磨かれ無文丸底です。 7~8点の土器片が継いでありますが、修理箇所がよくわかる博物館展示仕様になっています。 青森県是川中居遺跡出土と思われます。 (口径8,5~9,5センチ、高さ14センチ) 価格 50,000円
$ 0 0 これまでの好みとはちょっと違う絵。 一種、世紀末的な雰囲気を感じて妙に惹かれるのです。 惣七(1889-1974)は、1920年代からオウムやインコなどの鳥を描き続けた画家。 晩年は、原色を使い明るい色調の絵になっています。 この絵は、1945年前後の作品と思われます。 (板に油絵 38×45,5センチ、額 51,5×57,5センチ) 価格 60,000円
$ 0 0 素直で静かな佇まいの茶碗です。 古萩のなかで、最も初期は井戸手といわれていますが、この茶碗も井戸脇の趣があります。 見込みは目跡が5つあり、高台の内と外まわりがカイラギ状になっています。 高台は渦巻き型に削りだされ、「兜巾高台」になっています。 鉄分の多い陶土で、今まで手にした古萩と比べても、ずっしりした重さがあります。 長年使われてきた伝世の茶碗ですが、ほぼ無傷の状態です。 古い保存箱が付きますが、箱書きはありません。 (口径 16センチ、高さ 5,5センチ、高台径 約5,5センチ)
$ 0 0 壁一面にはられた、フェルトに色鉛筆の絵。 ザワザワ ドキドキ、どこに焦点をあわせてよいのか分からなくなる絵。 三森さんには、「まるで宮沢賢治みたい」という意味不明の言葉を伝えてしまいました。 三森早苗展 GAlERIE SOL中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F 本日10日が最終日
$ 0 0 静かで重厚感のある獅子香炉です。 深みのある黒楽釉は宗入(楽家5代)のカセ釉を見るようです。 この香炉は、松尾流の祖、松尾宗二(1677-1752)の作。造形力ある陶作品で知られています。 宗二は表千家6代覚々斎を師としたことから宗入とも交流があり、この香炉も楽家の窯で焼かれたと思われます。 永年使われてきたため、獅子の頭部や身(胴体)の足部は繰り返し修理されています。 江戸中期の箱が付きます。 箱蓋表には「楽只斎作獅子香炉」と書かれ、蓋裏には日了なる茶人(僧侶?)の書付があります。 (高さ16センチ、胴径12センチ)
$ 0 0 和の穏やかさに永年使い込まれて重厚感が加わった、よい茶碗です。 これは松平不昧公再興の楽山ではなく、それ以前の古楽山、江戸初~前期のもので、権兵衞焼ともいわれています。 残っている数は少なく、全く同じ造りのものは皆無といわれるほど多様性に富んでいます。 この茶碗は李朝刷毛目の写しで、鼠色の釉が全体にかけられ、見込み、側面には勢いのある刷毛目があります。 高台は大きく、竹節高台になっています。 縁には朱漆による古い修理があります。 箱はありません。 (口径14センチ、高さ5,5センチ、高台径5,5センチ)
$ 0 0 ずっしりとした、たしかな手応え。鉄の素材感抜群のオブジェです。 盆としてつくられたように見えるのですが、素性はよく分かりません。 鋳造製です。 (直径36センチ、高さ3,4センチ) 価格 18,000円
$ 0 0 本日より、福岡の四方堂さんと草の竪琴さん主催による「ヨーロッパの古いものと雑貨展」が始まります。 数はそれほど多くはありませんが、お二人の眼で選ばれた見所のあるものたちが並んでいます。 土日2日間だけの展示会です。みなさまのお越しをお待ちしています。 3月24日(土) 12:00~19:00 25日(日) 11:00~17;00
$ 0 0 光沢のあるねっとりした白が美しい白磁大皿です。 ところどころに貫入があり、縁は釉がけされていません。 長年酷使されてきても、びくともしないしっかりした造りです。 写真にある小さなワレは、窯傷です。 古伊万里系の白磁か、清朝南方系の白磁か、判断に迷います。 古い保存箱が付きます。 (径37センチ、高さ5センチ、高台径20センチ)
$ 0 0 上州新田岩松家18代~21代の殿さまが、150年に渡って貧しい藩財政を支えるために描いたといわれる新田猫絵。 猫絵を飾れば蚕を食べるネズミを撃退できるという信仰が、上州を中心に広がっていきました。 この猫絵は、殿さまではなく絵師によって描かれたもの。 残された猫絵のほとんどはデフォルメされていますが、これはリアル。実際に猫を見ながら描いたかのようです。 近年、掛軸全体は暴落していますが、時代のある猫絵は何故か高騰し入手するのが難しくなっています。 余談ですが、幕末に日本を訪れた外国人たちは、<日本の猫は怠け者で人に甘えるが、ネズミを捕ることはしない>と記録しています。 掛軸上部の掛緒と巻緒は欠損しています。 掛軸34,5×126センチ
$ 0 0 薄い杉板でつくられた文机。とても繊細なつくりです。 小引出しが3つあり、古い金具も当時のまま。 江戸期にさかのぼるもので、これだけの保存状態の文机は珍しいです。 (高さ26,5センチ、横幅68センチ、奥行32,5センチ) <売約済みになりました>
$ 0 0 “幻の”といっていいほど数少ない、元の釉裏紅です。 ざっくりとした絵付けの霊芝風唐草文がいいですね。 酸化銅を使った釉裏紅の発色は、淡く滲んでいます。 造りは分厚くずっしりとして雑器の趣です。 元染の量産がはじまった、元時代後期(14世紀前半)、青花の高級品はイスラム圏の富裕層に輸出され、 青花と釉裏紅の小品は東南アジアに輸出されました。特にフィリピンには、副葬品用に輸出されたといいます。 釉裏紅小品といえども、見る機会は稀で、町田市立博物館には「釉裏紅草花文方壷」が一点所蔵されています。 写真の香炉は、口から2~3センチのニュウがあります。保存箱が付きます。 (口径7,5センチ、高さ6,7センチ、高台径6センチ)