この妖しさただよう前漢加彩俑(BC207~AD8年)は、ウン十年前に「古道具坂田」からやってきたものです。坂田さんが、はじめて扱った前漢俑です。
その頃の坂田さんは、唐以降の俑は評価せず、漢の俑が好みでした。
兵馬俑にみる秦(BC221~BC207)時代の怖ろしいまでのリアリズムから、前漢に入って骨太の抽象表現に変化していった造形を評価していました。
それは、古代エジプト美術においても同様で、中期王国の力強い抽象表現を好み、そこに絞って石像残欠やレリーフを集めていました。
私も、その見方に大きな影響を受けたものでした。
振り返ると、この時代の坂田さんは、備後屋の5階にあった「ギャラリ―華」の俵有作さんの存在と影響をぬきに語ることはできないと思っています。
(高さ75センチ)
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