高取は、黒田長政が朝鮮から連行してきた陶工によってひらかれた窯。
この水指は朝鮮半島の香り漂うやきものです。
全体が厚手で力強い作行き。藁灰釉が腰までかかり、腰から下にかけてヘラでざっくりとした面取りがされています。
これは、1614年から10数年しか活動していなかった内ヶ磯窯のもの。短期間で茶陶の名品を残しています。
なかでも、この水指は遠州の指導が入る以前のもので、時代は江戸初期のもの。
長年使用されてきた伝世品で、口に小さな修理が3カ所あります。
水指塗蓋が付きますが、箱はありません。
(口径11,3センチ、高さ15センチ、底径6センチ)